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建築物の屋上を利用しようとする場合、通常は現場打ちの押さえコンクリートで防水層を保護します。しかし、押さえコンクリートは施工後の乾燥収縮からのひび割れ、さらに季節及び時間的な温度差などからひび割れを起こし、これが防水層に致命的な悪影響を与えることがあります。このような現象から防水層を保護する目的で、押さえコンクリートに成形伸縮目地材を取り入れ、目地をとることで防ごうとする手法が取られるようになりました。
成形伸縮目地材は、環境温度が上昇すればコンクリートの膨張に合わせて無理なく変形して目地材を圧縮させ、逆に環境温度が下降するとコンクリートの収縮が起こりますので、コンクリートと目地材が遊離することがないように目地材を伸張させて防水層への影響を最低限に留めようとします。つまり押さえコンクリートの伸縮に合わせて自在に伸びちぢみすることにより、防水層に障害を与えないように、常にその持つ機能を最大限に働かせているのです。
このように建物の屋上で重要な働きをする成形伸縮目地材にも、様々な種類や材質、形状のものがありますが、これら製品の品質の確保、さらに技術向上を目指し成形伸縮目地工業会が設立されました。工業会では独自に成形伸縮目地材規格を制定し、製品の品質の安定、施工技術の向上を目標として、日夜努力を重ねております。
また成形伸縮目地材規格は、その一部が国土交通省の「建築工事共通仕様書」の中に性能規格として盛り込まれました。建築工事共通仕様書」の中に盛り込まれたことにより、工業会会員の製品については(社)公共建築協会「建築材料・設備機材等品質性能評価事業」の対象製品となりました。